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Twitter(ツイッター)による誹謗中傷・名誉毀損を削除するには

1.Twitterとは

Twitter(ツイッター)とは、ツイートと呼ばれる140文字以内のメッセージから成り立つ、ソーシャルネットワーキングサービスの一つです。ブログと電子メールの中間的なコミュニケーションツールと言うこともでき、その手軽さから多くの人が利用しており、平成28年9月の時点で、国内における月間のアクティブユーザー数が4000万人を超えたと発表されています(同月時点でFacebookの1.5倍のユーザー数)。

特に20代や30代の若者に利用者が多く、芸能人やスポーツ選手などの有名人の利用が多いことも人気の理由の一つでしょう。

最近ではアメリカのトランプ大統領がツイッターを多用しており、様々な発言をしていることから、更にツイッターの知名度も上がっているようです。

 

2.ツイート投稿による誹謗中傷、名誉毀損、プライバシー侵害やなりすまし

ツイッターのアカウントは、本名を入力しなくても作成できるため、匿名性が高く、発言者が特定されにくいとの認識からか、他人を誹謗中傷するツイートが問題になることも少なくありません。

さらに、アカウント開設にあたって身分確認もないことから、なりすましアカウントも容易に作成できてしまうため、なりすましアカウントによるツイート投稿が問題になることもあります。

また、写真(画像)をつけて投稿することも可能なため、プライバシーに関わるような情報もインターネット上にさらされてしまうことが多くなっています。

いったんこのような名誉毀損、プライバシー侵害に該当する投稿がなされると、投稿者のフォロワーはもちろんのこと、フォロワーによる「いいね」や「リツイート」という機能を通じた拡散により、短い期間で広範囲に投稿内容が知られてしまうおそれがあります。

また、ツイッター内に留まらず、togetter(トゥギャッター)というツイートのまとめサイトや、ツイッター内におけるツイートのランキングや話題の検索ができるmeyou(ミーユー)というサイトなどを通じて、さらに広範囲に権利侵害情報が拡散してしまう可能性もあることから、迅速な対応が必要となります。

 

3.ツイートによる誹謗中傷や名誉毀損投稿を削除するには

3-1.運営会社に対する直接請求

ツイッターの運用上、規約によりユーザーが自身の発信したツイートに責任を負うこととされているため、基本的にツイッター運営会社は積極的に監視や検閲を行っていません。しかし、利用規約やルールに反するユーザーに対しては対象アカウントの利用停止措置(アカウント凍結)や投稿ツイート削除を行うことから、まず、特定のツイートや対象アカウントについての法的対応窓口に対して、不正利用の報告を行うことを検討する必要があります。

ではツイッター内の特定のツイートや対象アカウントについての法的対応窓口というのはどこでしょうか。日本法人としてツイッタージャパン株式会社が存在しますが、この会社はツイッター上の各ツイートに関する法的対応の窓口にはなっていません。

したがって、特定のツイートについての削除依頼は、原則としてアメリカ本社(Twitter, Inc.)に対して行わなければなりません。

具体的には、Twitter, Inc.に対し、特定のツイートが、同社のガイドライン上の「嫌がらせや迷惑行為」に該当するという報告を行うことになります。その際、そのツイート投稿が誰のどのような権利を侵害しているのかという点を具体的に主張する必要があります。

なお、この直接請求を行うと、Twitter, Inc.が当該ツイートについて、同社ガイドラインに反する不正利用であるかどうかについて調査を行いますが、仮に不正利用であると認めないとしても、調査中は当該ツイートを発信した対象アカウントについて、サイト上の検索結果から一時的に除外することがあります。このような措置によって、当該ツイートの拡散を防止できる側面がありますので、ツイートの削除まで時間がかかることがあっても、当該ツイートの拡散を防ぐためには、この直接請求は有意義であるといえます。

 

3-2.裁判所の仮処分命令を利用する方法

さらに、投稿自体の削除命令(仮処分命令)を裁判所に申し立て、Twitter, Inc.に対する仮処分命令を得る方法もあります。裁判所に仮処分命令を出してもらうには、仮処分命令の申立書において、権利侵害があることや、違法性阻却事由がないことについて法的に説明をする必要があります。

なお、現状(2017年2月時点)のTwitter, Inc.の運用では、裁判所に対して仮処分命令の申立を行っても、投稿者にその事実が伝わることはありません。

 

3-3.仮処分命令による非表示は地域限定の場合があることに注意

裁判所で特定のツイートについて削除せよという仮処分命令を取得した場合、Twitter, Inc.は、当該ツイートについて、日本国内のIPアドレスを有する端末からは閲覧できないようにする取扱(地域的非表示の取扱)をする場合があります。これは、すなわち、ツイート自体は削除されないので、検索結果上での表示は残る可能性があるということを意味します。対応についてお困りの方は当事務所までご相談くださいませ。

 

4.投稿されたツイートの削除を弁護士に依頼した場合のメリット

4-1.法的な理由付け

上記のとおり、Twitter, Inc.に対して直接請求を行う場合も裁判所に対する仮処分命令の申立を行う場合も、大切なのは、問題となっているツイート投稿が名誉毀損やプライバシー権侵害に該当する違法なものであるという理由について、法的に説明しなければならないという点です。

インターネット上の投稿は、憲法上も認められた表現の自由の一つとして保護されていることから、投稿が違法であるということをTwitter, Inc.や裁判所に対して法的に論理立てて説明できなければ、削除を求めても認められません。

 

4-2.海外企業を相手方とする仮処分手続

Twitter, Inc.のような海外企業を相手方とする場合、日本の企業を相手方とする場合に比べて手続が複雑になります。例えば、仮処分命令申立のためには、相手方となる企業の資格証明書が必要となります。相手方となる企業が日本法人である場合には、法務局で登記を取得して提出すれば足りますので、手続自体も容易で、日数も掛かりません。他方で、Twitter, Inc.の資格証明書を取得する場合、カリフォルニア州から書類を取り寄せる必要があります。取り寄せる方法も特殊ですし、取り寄せの期間も申請から3週間程度は掛かります。そのため、経験のある弁護士に依頼する方が、手続の進行がはるかにスムーズになります。

 

4-3.投稿者への損害賠償請求

また、投稿内容によっては、単に削除を求めるだけでなく、投稿者に対して損害賠償請求を行うことも考えられます。この場合は、Twitter, Inc.に対し、いわゆるプロバイダ責任制限法に基づく発信者開示請求を行い、投稿者のIPアドレスの開示を受けたうえで、さらにプロバイダに対しても発信者開示請求を行ってIPアドレスから個人を特定することが必要です。その上で、投稿者に対し、損害賠償請求を行うことになります。

なお、2017年2月現在、Twitter, Inc.から開示される発信者情報は、問題となっているツイート時点でのIPアドレスではなく、当該ツイートをするためにアカウントにログインした時点でのIPアドレス(いわゆるログインIPアドレス)です。このログインIPアドレスに基づいて、プロバイダから発信者情報の開示を受けられるのかという点については裁判所で統一した結論が出ておらず、東京地方裁判所においても判断が分かれているところです。